昼寝の代償
ただ毎日のんびりと生活を貪りたい。
窓を開けて、少しぬるい風を味わいながら、曇った空をただぼーっと眺めていた。
雲が流れるのを見ることがなんでこんなに贅沢なんだろう。とか考えていた。
きっと、その間にヤツが堂々と侵入していた。
翌朝、茶色い天敵を部屋に見つけ、頭が真っ白になりながらも、どうにか気合で撃退。
しかしヤツの嫌なところは、その不穏な動きが映像になって、一日中頭の中に放映されることだ。
おかげで、隙間という隙間を確認しては、触覚がチラチラ見えるような気がして疲れる。体中這われているような、こそばゆさが治らない。
どう考えても倒せるという点においては人間の方が強いはずなのに、なんでこんなに怖いんだ。私は強い、私は強いと言い聞かせながら、動悸を抑えるようにしている。
屋外にいる分にはいいのだけれど、自分のテリトリーにいられると落ち着かない。
でもきっとヤツにとっては人間のテリトリーなんて知らんがな。と思っているんだろうなぁ。
人間が勝手に地球を仕切って商売しとるだけやん、って。
この前、駅の高架下で寝ているホームレスを見て、土地が商売化される前だったら誰にも文句を言われずに寝られるよなぁと感じたことを思い出した。
インディアンが土地を所有するという概念がなかったような。
コジコジが毎日好きなところで寝るように。そらまめくんのベッドの表紙みたいに夜空を見ながら寝たい。外敵に脅かされずに。
個のテリトリーがないと安心できないのに、そこに不自由さもある。
自然の中で寝るのは、なかなかハードルが高い。焚火も毛虫だらけだったし。
とりあえず、ゴキブリキャップを大量買いした。
願わくば、もう室内で会いたくはない。